【特集記事】埼玉医科大学 現役医師 取材

高い技術と意欲を持つすぐれた医療人を育成し地域に貢献

地域医療を担う毛呂病院を原点とする埼玉医科大学。1972年の開学以来、4000名以上の卒業生を送り出し、その99・3%が医師となって保健・医療・福祉の分野で活躍している。同学が目指すのは、高度な医学知識と医療技術を身につけたすぐれた臨床医の養成だ。現場で働く卒業生の声を紹介しよう。

埼玉医科大学 総合医療センター 高度救命救急センター 久木原 由里子 さん

埼玉医科大学 総合医療センター 高度救命救急センター

久木原 由里子 さん

鹿児島県出身。志學館高等部を卒業後、2008年埼玉医科大学入学。2014年より埼玉医科大学総合医療センターで初期研修に携わり、研修修了後、同大病院整形外科に入局。2017年10月より現在の高度救命救急センターICUに勤務。

助かる命を確実に救うことが 救命救急の使命

―現在の仕事を教えてください。
久木原:高度救命救急センターは第三次救急医療施設で、病院前医療から初期治療、手術、集中管理・集中治療、回復期そして転院や自宅退院までを行う自己完結型救命救急センターです。特に外傷で手術を必要とする患者さんを広く受け入れており、手術件数は年間1000件以上。センターにはER、集中管理・治療(ICU)、外科、整形外科、脳外科の5チームがあり、私が担当しているのは集中治療チームです。手術後の患者さんの全身を管理し、状態の変化がないかを確認。意識のない患者さんは自分から訴えることができませんから、いかに患者さんの状態を汲み取り、適切に対処するかが問われる仕事です。

―高度救命救急センターに入局された理由は何でしょうか。
久木原:医師を目指した当初から、オールマイティに患者さんを診られる医師になりたいと思っていました。初期研修でここの存在を知り、手術などの対応の速さやスタッフのモチベーションの高さ、そして医療の最先端分野で働き、自分の力を伸ばしたいと思い救急医を志望しました。
 センターの5チームのうち、他の4チームの武器が技術だとすれば、集中治療チームの武器は知識です。救急搬送されてくる患者さんは、外傷だけでなく複数の病気を患われていることがほとんど。既往症や常時服用している薬の種類、合併症の有無など、患者さんを俯瞰して理解する必要があります。そのため他のチームのバランサーのような役割も担っており、看護師をはじめメディカルスタッフと協力しながら、患者さんのために何ができるかを常に考え、実践しています。

―仕事で心がけていること、仕事のやりがいはどこにあるのでしょう。
久木原:できるかぎり患者さんやご家族の話を聞くことでしょうか。体はもちろん心まで支えるには、密にコミュニケーションをとり、患者さん主体で考えることが必要です。診療の場では患者さんから教わることばかりで、患者さんには感謝の気持ちしかありません。残念ながらすべての患者さんが快復されるわけではありませんが、意識のなかった患者さんが快復されていく過程に携われること、また元気に退院して行かれる姿に、「勉強させてもらってありがとう」という思いでいっぱいになります。患者さんのために、さらに勉強しよう、自分のレベルアップを図ろうという気持ちが湧いてくるのです。

ドクターヘリ

医師を救急現場へ運ぶドクターヘリ

自分で考え、答えを導き出す 少人数の授業で実践力を培う

―医師を目指されたきっかけを教えてください。
久木原:父親が医師で、幼い頃から医療は身近にありました。ただ、「決められたレールの上を歩くのは嫌だ」とずっと思っており、勉強にも熱心ではなかったのです。その気持ちが変わったのは高3になってからです。深夜のテレビで恵まれない子どもたちの姿を見て、恵まれた環境にいる自分が頑張っていないことが恥ずかしいと思いました。「他者を助けたい、そのために自分にできることは何か」と考えた結果が医師だったのです。遅いスタートでしたが、3年かかって父の母校である埼玉医科大学に入学できました。

―埼玉医科大学での学びについてお聞かせください。
久木原:埼玉医科大学は、1892年に設立された毛呂病院を起源に持つ、地域医療や患者さん中心の医療の実践を目指している大学です。実際の授業でも少人数の授業が多く、自分で考え答えを導き出すことが多かったですね。例えば症例を通して問題解決の筋道を考える「臨床推論」や、臨床の現場で患者さんと接しながら学ぶ「BSL」などが面白かったです。
 特に印象に残っているのが3年次の「看護業務体験実習」です。初めての実習でしたが、看護師の仕事を実際に見て、厳しさや責任の大きさなどを実感。同時に医師一人では医療が成り立たないこと、チーム医療における個々の役割を再認識するきっかけになりました。また、6年次のクリニカル・クラークシップ(臨床実習)で地域の医療機関で実習したのも忘れられません。私が行ったのは在宅医療や訪問診療に力を入れているクリニックで、地域医療の実態に触れることができました。

―部活動もされていたそうですね。
久木原:ワンダーフォーゲル部とスキー部に入っていました。大学2年のとき、スキーで靱帯を断裂し、この病院に入院しました。ちょうど試験期間で、クラスメイトが毎日ノートを持って川越まで来てくれて。おかげでテストに合格できました。
 埼玉医科大学のいいところは、のびのび過ごせることだと思います。鹿児島出身の私にとって、最初は海がないことが寂しかったのですが(笑)、緑が多く、6年間過ごすうちに山が好きになりました。当時は大部分の学生が毛呂山に住んでいたので、仲間意識も強かったですね。「みんなで一緒に頑張ろう」という一体感があったように思います。先生との距離も近く、国家試験に向けてのサポートも万全でした。

常に考える癖をつけて さらなるスキルアップを

―コロナ禍の中、医療の現場ではご苦労があったのでしょうね。
久木原:総合医療センターではコロナ専門病床が設けられ、救命救急センターとは分かれていたのですが、感染予防には十分対処しました。心苦しかったのは、入院患者さんの面会が制限されたことです。もどかしい思いの中、患者さんの不安を和らげるため、できるだけコミュニケーションをとるように心がけました。

―現在、久木原さんは学生や研修医を指導されているとうかがっています。彼らに学んでほしいことはどのようなことでしょうか。
久木原:自分にも常に言い聞かせていることですが、受動的にならないことですね。どんな場面においても、「今どんな状況で、自分に何ができるのか、どうするのが最良なのか」を常に考える癖をつけること。そして一定の時間の後でフィードバックし、間違っていなかったか、もっとやれることはなかったかを検証すること。それを繰り返すことでスキルアップしていけると思います。
 また、医師に必要な力の一つにコミュニケーション力があります。なかなか鍛えるのは難しい能力ですが、普段から他者の立場で物事を考える習慣を心がけると良いのではないでしょうか。

―これからの目標を教えてください。
久木原:救急医としての知識・技術をもっと身につけたいですね。患者さんから、そしてセンターの先生方から学び、経験を積んでいきたいと思っています。

―医師を目指す受験生・保護者にメッセージをお願いします。
久木原:医学部入試は年々厳しくなっていると聞いています。私自身、今でも試験に落ちる夢を見ることがありますが、人を助けたいという強い思いがあれば、必ず乗り越えられると思います。入試本番に100%の力を出せるよう、自分を信じ頑張ってください。
 また、支えてくれるご家族への感謝も忘れないでほしいと思います。一方保護者の方は、プレッシャーにならないよういつも通りに接してあげてほしいですね。医学部合格後は、一生勉強し続ける強い気持ちを持ち、患者さん主体に考えられる医師を目指してほしいと思います。

お問い合わせ先

埼玉医科大学

埼玉医科大学

本部所在地:埼玉県入間郡毛呂山町毛呂本郷38

TEL:049-295-1000

ホームページ:http://www.saitama-med.ac.jp/

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